火災保険の再値上げに備えよう!

今年もやっぱり

2020年は、被害の相次いだ2018年や2019年に比べると、台風などの自然災害が少なかった1年でしたが、今年(2021年)は7月、8月と各地で水害が続き、亡くなられた方や家屋の倒壊も数多くありました。亡くなられた方には、心からお悔やみ申し上げます。

火災保険の再値上げが始まりそう

すでに楽天損害保険ではハザードマップを基に水害リスクを四つに分け、火災保険料に地域差を設けていますが、保険業界で初めてとなるこの取り組みが、業界全体に広がろうとしています。

金融庁は今夏以降、有識者会議を設けて基準作りを進める方針です。地域の分け方やリスクの評価方法、ハザードマップの活用方法などが示されれば、大手損保も地域別の保険料を導入しやすくなります。

現在火災保険料は、同じ都道府県内であれば基本的に同一ですが、水害リスクに応じた地域別の料金が設定されるとハザードマップで浸水想定区域とされている川沿いの低地などを含む地域はリスク高として保険料が高くなるでしょう。

あわせて住宅火災や水害に備える火災保険の契約期間が2022年度にも現行の最長10年から5年に短縮される見通しです。自然災害が多発しているなかで、契約期間を短縮して保険料の見直しを素早く反映できるようにするためです。

2015年9月以前は火災保険の最長契約期間は36年だったので、ほとんどの住宅ローンが完済期間まで1回の保険契約ですんでいましたが、2015年10月以降は最長10年契約となりました。それがさらに5年に短縮されそうです。

過去の値上げについて

火災保険の保険料の目安となるのは、損害保険各社でつくる「損害保険料率算出機構」が定める「参考純率」です。機構はこの「参考純率」が適正な水準かどうか毎年度チェックしていますが、このところ自然災害が多発し、保険金の支払いが増えていることから、参考純率を引き上げると発表しました。引き上げ率はすべての契約条件の平均で10.9%です。

火災保険の参考純率は、2018年に5.5%、2019年に4.9%引き上げられましたが、今回の10.9%という引き上げ幅は2005年の8.7%を上回り過去最大です。すべての契約条件の平均では10.9%の引き上げですが、建物がある都道府県や、建物の構造、築年数などによって改定率はそれぞれ異なります。

機構によると、例えば、木造住宅で保険金の額を建物2000万円、家財1000万円とした場合の参考純率の改定率は、築10年以上の場合、東京都5.9%、大阪府30.9%、愛知県7.6%、それぞれ引き上げられます。

また、沖縄県が全国で最大の36.6%の引き上げとなる一方、山口県では10.3%の引き下げとなります。このように災害の発生状況や保険金の支払い状況に応じて、地域によって改定率には大きな差があります。

地域によって差があるものの、なぜこんなに値上げされたのでしょうか?

それは保険金の支払額が増え続けているからです。

毎年のように自然災害が発生し、全国各地で被害が増加しているため、ここ数年は保険金の支払額が、1兆円をはるかに超え、保険金支払いのために、損害保険会社各社が保有している補償金の原資が減っているのです。
このままでは保険金の資金が不足しかねません。そんな状況になるのを防ぐために値上げに踏み切るのです。

火災保険を見直すといいケース

  1. 短期契約、分割支払い
  2. 長期契約でも火災保険の更新が近い
  3. 建物の築年数が10年以上
  4. 家を新築・購入予定で火災保険の加入予定がある
  5. 水災の補償がついていない、または、水災の補償がついているかどうか分からない

1.の短期契約、分割払いの場合、割引がないので、長期一括払いで契約すると1年あたりの保険料が低く抑えられるでしょう。※某大手火災保険会社では、長期一括払いの割引率は2年契約一括払いで約5.3%の割引、5年契約一括払いで14%の割引、10年契約一括払いで約18%の割引があります。

2.の長期契約でも火災保険の更新が近く、新料金が高くなるなら、一度火災保険を解約して、新たに長期契約を結び直すことをおすすめします。損害保険は、長期契約をしていた場合に途中で解約しても未経過期間分に応じた保険料が解約返戻金として戻ってくるので安心です。

3.の建物の築年数が10年以上になる場合、一部の県を除いて参考純率がアップしています。つまり、築年数が10年以上であれば、M構造、T構造、H構造いずれも、ほぼ確実に保険料は上がりそうです。※「M構造」耐火構造のコンクリート造のマンション、「T構造」鉄骨造の一戸建て、「H構造」木造一戸建て

4.の家を新築・購入予定で火災保険の加入予定がある場合、新築や築浅物件なら現行より割安になるケースがあります。5年契約がいいか、10年契約がいいか慎重に検討しましょう。

5.の水災の補償がついていない、または、水災の補償がついているかどうか分からない場合、建物の所在地が海や河川の近くではないか、土砂崩れの可能性はないか、都市部でも突然の水量増加に行き場をなくして下水が溢れる内水氾濫が多発しています。自治体から出ているハザードマップと照らし合わせて、水災補償をつけるかどうか総合的に判断しましょう。

まとめ

今回の改定では、多くのプランは値上げになると予想されますが、築年数や地域、建物構造、保険会社、プランによっては値下げになる場合もあります。保険会社の動きを注意深く見守りながら、保険料の改定前には火災保険一括見積もりサイトなど利用して、改定前後の保険料を比較しましょう。

そして保険料が上がる場合は、契約中の保険会社に相談してみてください。 火災保険の契約期間が5年に短縮される前に、できるだけ長期契約を結ぶことをおすすめします

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