iDeCoの出口戦略(早期退職編)

先日、会社員のAさんから「iDeCoが300万円あるけど、どのように受け取るのが一番有利か?」というご相談を受けました。

[Aさんの条件](※条件については、若干変更しています) 

  • 35年勤務した会社を58歳で早期退職
  • 課税所得500万円
  • 退職金2,000万円
  • 60歳から公的年金(年180万円)を繰上げ受給予定

iDeCoの税制メリット① 掛金が全額所得控除

Aさんは毎月2万円(年24万円)積み立てており、課税所得が500万円なので所得税20%、住民税10%とすると、年間で7万2千円節税できていました。

240,000×30%(所得税20%+住民税10%)=72,000円

※専業主婦(主夫)で収入がない方は、ここでの節税額は0円なので要注意!

iDeCoの税制メリット② 運用益が非課税

Aさんの運用益は58万円あり、117,827円節税できました。

580,000×20.315%(税金)=117,827円

受け取り時期(60歳~75歳)が近づいてきたら、定期預金など元本確保型の商品にシフトし利益を確定しておくとより安心です。

iDeCoの税制メリット③ 受け取り時に税制優遇が適用

受け取り時の税制優遇は、受け取り時に退職所得控除か公的年金等控除、またはその併用が受けられるというものですが、出口戦略を誤ると全く優遇になりません。

退職所得控除

退職所得=(退職金収入ー退職所得控除額)×1/2

※iDeCoの場合、加入年数を勤続年数とみなす

Aさんの退職所得控除額 70万円×(35-20年)+800万=1,850万円
退職金(2,000万円)>退職金控除額(1,850万円)なので、iDeCoの300万円については退職所得控除は受けられません。

退職金を受け取るのが複数回の場合、下記5年ルールと20年ルール(※2022年4月以降、3月までは15年)があります。

退職金の5年ルール(iDeCoの受け取りが先の場合)

退職金を一括で受け取る場合、最後に受け取ったiDeCoの老齢一時金から5年以上経過していれば、以前使った退職所得控除と次に受ける退職所得控除はそれぞれ全期間で控除額の計算が認められる

退職金の20年ルール(iDeCoの受け取りが後の場合)

iDeCoを退職金より後に受け取る場合、最後に受け取った退職一時金から20年以上経過していれば、再度退職金控除が使える

iDeCoの受け取りは75歳までなので、Aさんが58歳で早期退職した場合、20年後は78歳になるので退職所得控除の対象外となります。

公的年金等控除

公的年金等控除額(65歳未満-年70万円、65歳以上-年120万円)

Aさんが60歳から公的年金(180万円)を繰上げ受給した場合、65歳未満の控除枠70万円をオーバーしてしまいます。
よってiDeCoを年金で受け取ろうとしても控除枠は残っておらず、iDeCoで公的年金控除は受けられません。

iDeCoを60歳から5年間年金(分割)で受け取る場合は、公的年金控除枠内(70万円×5年)でiDeCoが全額(300万円)受け取れます。

まとめ

Aさんのケースでは、iDeCoを60歳から5年間年金(分割)で受け取り、公的年金を繰上げ受給するのではなく通常の65歳から受け取るようにしましょう。
そうすればiDeCoは公的年金等控除を使って非課税で受け取り、繰上げによる年金の減額(※4月から月0.4%×12ヶ月×5年=24%)も回避できます。

そのためにも60歳以降も継続して働くか、60歳までにしっかりと蓄えておく必要があります。

継続して働いた場合はさらに受け取る年金が増えるというメリットもあります。

iDeCoの受け取りで迷ったら、ぜひファイナンシャルプランナーにご相談ください。

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