人生につまづくのが18歳
小石につまづくのが81歳
道路を暴走するのが18歳
道路を逆走するのが81歳
自分探しをしているのが18歳
帰れなくなり自分の家を探しているのが81歳
・・・と、巷でささやかれている話は別として、いよいよ4月から18歳は成年になります。
【18歳(成年)になったらできること】
18歳から医師、薬剤師などの国家資格が取れるようになりました。
が、医師は6年制の医学部医学科を卒業しないと受験資格がありません。
薬剤師も6年制の薬学科を卒業しないと受験資格がありません。
司法書士や公認会計士試験においては、もとより受験資格年齢などなく、これまでにも10代の合格者が何人も出ています。が、合格しても実務経験が必要です。
変わったことといえば、親の同意がなくてもクレジットカード、携帯電話、賃貸住宅などの契約ができるようになったことでしょうか。
これまで親の同意なく子供がローン借入の契約をしても「未成年者取消法」により、その契約を取り消すことができました。
今後は未成年だから保護されていたことが、成年ということで保護されなくなります。
(※困ったときは「188(いやや!・消費者ホットライン)」に電話)
※詳しくは、政府広報オンラインをご参照ください。
政府広報オンライン「18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。」

【新成年に勧めたいこと】
もう一つ18歳からできるようになることとして、ファイナンシャル・プランナーの立場から新成年にお勧めしたいのが投資による資産形成です。
早く投資を始めるメリットがわかるエピソードをご紹介しましょう。
~『家庭の金銭学』から一部抜粋~
弟のジャックは姉のジルと遊んでいる時、頭をケガして大学に進学できませんでした。
そこで18歳から働き始め、毎年50万円ずつ積立投資を始めました。
18歳から26歳になるまでの8年間積立投資を続け、投資金額が400万円になると、あとは65歳まで40年間預けっぱなしにしていました。
一方、姉のジルは、ジャックと遊んでいた時の罪の意識もあり、医大に進学しました。
26歳で働き始めると同時に、毎年50万円ずつ積立投資を始めました。
26歳から65歳までの40年間、ジャックと同じ商品に積立投資を続け、投資金額は2,000万円になりました。
2人の投資した金融商品が年利10%だとすると、定年退職する65歳時点でジャックは2億5,878万円、ジルは2億2,129万円。
ジルより8年早く投資を始めたジャックの資産は、投資金額が5倍多いジルよりも多くなりました。
※ 『家庭の金銭学』(2021年3月金融財政事情研究会刊)リック・イーデルマン[原著]/方波見 寧[日本版編著]
このようにお金の時間価値は絶大で侮るべきではありません。
成年年齢引き下げに伴い、多くの証券会社では、満18歳以上から親の同意などの条件なしに証券口座が開設できるようになりました。
来年(2023年)からは(1月1日時点で18歳以上)であれば、つみたてNISAを利用して非課税投資ができるようになります。
これから日本は超少子高齢化、人口減の時代を迎えます。
内閣府の令和2年版「高齢社会白書」によると、日本の総人口は、2019年10月時点1億2,617万人から、2065年には8,808万人へと1億人を大きく割り込む見込みです。
65歳以上の割合も38.4%に上昇し、国民の約2.6人に1人が65歳以上の者となる社会が到来する予想です。
こうなると国の経済規模は縮小し、社会保障も弱くならざるをえません。
将来豊かに暮らすため、できるだけ早くから資産運用を始めることをお勧めします。
18歳から資産運用が始められるのは、従来の20歳よりかなり有利です。
【新成年の資産形成には家族の応援も大切】
新成年のお金に関する教育は、社会だけに頼るのではなく、家庭での役割も重要です。
お小遣いの中から月500円でも1,000円でもいいので、つみたてNISAで積立投資を始めるよう助言してください。
働いてお給料がもらえるようになったら、最低でも10~20%は先取りで積立投資に回すよう助言してください。
資産形成ができるうえ、社会や経済情勢について関心が持てるようになります。
その小さな積み重ねが将来大きな差となります。
そして、知らないうちに借金につながる可能性のあるクレジットカードの使い方には注意するよう伝えてください。
特に「リボ払い」は、名前はかわいらしいけど、残高に対して高率の手数料がかかっており、本当は怖い超高金利の借金です。
マイナス(借金)からのスタートは、将来、大きなダメージにつながりかねません。
新成年にできるだけ早くからNISAなど有利な制度を活用した資産運用を始めてもらい、豊かな生涯を送ってほしいと願っています!
執筆者 辻村洋子 (CFP® 1級FP技能士)
上記は、FPサロンさいたま新都心「News-Letter」第28号(2022年4月21日発行)に掲載されたエッセイです。
